架空請求のお金は支払う義務がある?支払っても返還される?

架空請求と疑わしい督促状を受け取った場合、お金を支払う義務はあるのでしょうか?もし支払った後、それが支払う必要のないお金だと分かった場合、お金が返ってくる可能性はあるのでしょうか?架空請求詐欺に騙されないための方法には何があるのでしょうか?今回の記事ではそうした疑問や質問に対する分かりやすい答えをお伝えいたします。

1.架空請求で請求された金額は払う必要がある?

架空請求で請求された金額に支払い義務は全くありません。

もしかしたら支払う必要があるかもと心配な場合

もしかしたら支払う必要があるかもと心配な場合は以下の2つの点について落ち着いて確認しましょう。
①請求者は誰か、また請求内容がきちんと特定されているか
②債権者は契約した相手方かもしくは正式に認可を受けた債権回収業者かどうか
この2点についてもう少し解説を加えます。

①きちんとした契約に基づいた請求であれば、請求の根拠となるものが具体的に記載されています。契約成立の時期、具体的に何をどれくらい利用したのか、金額がいくらになるかなどです。こうした請求内容がきちんと記載されていなければ架空請求とみませます。

②債権回収業者を名乗ったりする架空請求も増えています。しかし法務省の認可を受けた正式な債権回収業者は資本金5億円以上の株式会社です。認可を受けていない業者の債権回収は違法です。これも無視することができます。

2.架空請求で支払ってしまった金額は返ってくる?

架空請求業者に支払ってしまったお金は基本的に返ってくることはありません。
もちろん架空請求業者に対し、返還請求や損害賠償請求をすることはできます。
しかしお金が返ってくることはあまり期待できません。次にその理由を説明します。

架空請求業者に支払ったお金が返ってこない理由

架空請求業者に騙されてお金を支払ってしまってもお金の返還が困難なのは、架空請求業者を見つけ出すのが難しいという理由があります。
架空請求業者の会社名、住所は架空のものであったり、レンタルオフィスやバーチャルオフィスを偽名で借りていたり、連絡先は私書箱、電話番号もレンタルなどのケースがほとんどです。架空請求業者の用いる身分証明書も偽造であったりするので、犯人グループの特定は困難を極めます。

また、支払いは電子マネーやギフトカードの番号を写真で送ったり、電話で伝えるよう指示される場合があります。こうした場合でも受け取った相手を特定することはできません。

架空請求業者に支払ったお金が返還されるケースがある!

たいていの場合、架空請求業者に支払ったお金は返ってきませんが、まれに架空請求業者に支払ってお金が返ってくるというケースもあります。

犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律、いわゆる「振り込め詐欺救済法」という法律があり、振り込め詐欺だけでなく架空請求詐欺の被害者は、この法律に定める手続を踏むことで、失権した振込口座の残高を上限として、被害回復分配金の支払を受けることができます。

振り込め詐欺救済法でお金を返還を受けるための注意点

振り込め詐欺救済法に定められた手順で、架空請求業者に支払ったお金一部もしくは全額が返ってくる可能性があります。
しかし次の4つの点に注意する必要があります。
①被害にあったら直ちに警察と振込先の金融機関に連絡する
②被害回復分配金の支払を受ける場合は申請が必要
③犯人が預金口座からお金を引き出してしまった場合は救済が受けられない
④振り込み以外の方法、例えばお金を宅配便で郵送した、現金を直接手渡したなどの場合、この救済措置は受けられません。

架空請求業者が口座から出勤した場合、振り込め詐欺救済法の定める救済措置を受けることはできません。被害に気付いたなら早く警察、金融機関に連絡し、救済の申請をしましょう。

3.架空請求にあわないための対処法

架空請求の被害者にならないための対処法は次の4つに要約されます。
①見に覚えのない請求は無視する
②支払いに応じない
③連絡先に電話しない
④不安ならば最寄りの警察か消費生活センターに相談する

見に覚えのない架空請求は無視しましょう。支払いに応じれば、お金の返還は期待できないだけでなく、架空請求業者からすぐに支払いに応じる人物として、次々と架空請求の督促が送られてくるようになります。
不安な気持ちがあっても架空請求のハガキやメールに書かれている連絡先に電話しないようにしましょう。電話通じて、電話番号だけでなく、住所、氏名、勤務地、年収、家族構成などの個人情報を聞き出される可能性があります。

4.架空請求でも無視してはいけないものがある

裁判所から「特別送達」という郵便物で督促状が送られてくる場合、その内容が架空請求かもしれないという疑いがあっても無視してはいけません。

特別送達とは?

特別送達は、民事訴訟法の規定に基づいて郵便物を送達し、その送達の事実を証明するもので、裁判所や公証役場などが訴訟関係者に書類を送達する場合に使われます。
例としては督促状、強制執行の通知、離婚調停に関する通知、裁判員制度に基づく呼び出し等です。
特別送達は普通郵便とは異なり、ポストに投函されることなく、受取人に郵便局員が直接手渡しします。
封筒の表面には「特別送達」の黒字、もしくは赤字も文字で記載されており、簡易裁判所や地方裁判所などの公的機関の名前と連絡先が記載されています。

架空請求業者が特別送達を利用する理由

民事訴訟の場合、その制度や仕組みゆえに、書類を一瞥しただけでは、それが正当な請求か架空の請求なのか判断するのは困難です。
請求内容が記載されており、印紙が貼られてるなら、それが仮に嘘の請求だったとしても裁判所は請求書類を受け付けなければならず、それを特別送達で送付する可能性があります。もし無視するなら、裁判所から異議なしと判断され、それが架空の請求内容であっても支払い義務を負うことになります。
架空請求業者としては、そうした方法で合法的にお金を回収できます。

特別送達で督促状を受け取った場合の対処法

架空請求業者が裁判所からの郵便物を装って架空請求を郵便物を送り届ける場合もありますが、本物の「特別送達」で督促状や仮執行宣言を送る場合もあります。

ですから、架空請求であったとしても、特別送達で督促状を受け取った場合、受け取った次の日から14日以内に支払督促異議申立書に記入し、裁判所に異議申し立てする必要があります。

架空請求の金額まとめ

架空請求でお金を支払うよう求められても支払う義務はありません。もしお金を支払ってしまった場合、お金が返ってくることはほとんどの場合ありません。なぜなら各請求業者の用いる会社名、住所、身分証明書などは架空、もしくは偽造されたものがほとんどだからです。
架空請求業者の手口を知っておき、騙されないようにしましょう。架空請求の督促を受け取ってもあわてて電話連絡したりせずに、無視しておくのが最善の対処法です。

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