架空請求で起訴される可能性がある!?その際の具体的な対処法を紹介

架空請求のハガキやメールに「支払いに応じない場合は少額訴訟の手続きを踏む」と書かれている場合があります。架空請求業者から本当に起訴されることがあるのでしょうか?「少額訴訟の呼び出し状」が送られてきたなら、それが架空請求であっても無視し続けるなら、後で取り返しのつかなくなる可能性もあります。今回の記事では、そうした点について分かりやすく解説します。

1.架空請求で起訴されてしまう可能性がある?

裁判所の名前をかたった架空請求のハガキやメールが送られてきた場合、ほとんどの場合は無視するだけで済みます。
しかし、架空請求業者が少額訴訟の手続きを正式に踏み、特定の個人や団体に対して金銭の支払いを要求してくる、つまり起訴する可能性はあります。

少額訴訟とは?

少額訴訟とは,60万円以下の金銭の支払を求める場合に限って利用できる訴訟手続きのことです。簡易裁判所で扱われる訴訟になります。(民事訴訟法第368条第1項による)

2.「架空請求だから、無視しても大丈夫」ではない!

架空請求業者が、支払い督促や少額訴訟の正式な手続きを踏んで、裁判所を通じて督促状を送ったり、少額訴訟手続きに訴える場合があります。
裁判所からの「特別送達」という特殊な郵便物で、架空請求と疑われるものでも、督促状や少額訴訟の呼び出し状を受け取った場合、それを無視することは被害の拡大を招きます。

無視してはいけない理由

正式な裁判所からの支払い督促状や少額訴訟の呼び出し状が送られてきた場合、無視し続けるなら支払い義務が生じる可能性があるので、無視することはできません。
督促の手続で、債権者から支払督促の申し立てを裁判所が受けた場合,裁判所は,それが正当な請求か、それとも正当な理由のない請求かどうかは、債務者の支払督促異議申し立てを待ってから判断します。
もし特別送達での督促状を受け取った翌日より2週間以内に支払督促異議申立書による、裁判所への異議申し立てがない場合、裁判所は、債務者からの異議申し立てなしとし、債務者に支払義務を課します。

同様に、少額訴訟の場合でも、その請求が正当か不当かは、裁判所が当事者双方の主張を聞いてから判断します。もしその請求が不当な物、架空のものであると主張したいなら「答弁書」でその旨を主張しなければなりません。
もし被告側が最初の口頭弁論に出頭せず、原告側の主張に対して争う内容の書類を提出しなかった場合、裁判所は、原告側の主張を認めたとみなし、原告側に有利な判決を下します。

ですから、たとえ架空請求によるものであっても、裁判所からの督促状や少額訴訟の呼び出し状を無視するなら、架空請求業者の請求や主張が通り、支払い義務が課せられることになります。

3.架空請求で起訴されたものが本物か見分ける方法は?

架空請求業者が正式な手続きを踏み、少額訴訟の呼び出し状を裁判所を通じて郵送する場合があります。
しかし、裁判所からの郵便物を装って、支払い督促状や少額裁判の呼び出し状を郵送してくる場合もあります。こうした場合は、完全無視で対応できます。
ですから、裁判所からのものと思われる督促状や少額訴訟の呼び出し状を受け取った場合、その真偽を見分けなければなりません。
裁判所からの正式な郵便物だけが持つ特徴を知っておくなら、真偽を見分けることができます。

裁判所からの正式な郵便物の特徴

裁判所から督促状、少額訴訟の呼び出し状などの郵便物には以下の4つの特徴があります。
①特別送達で送られる
封筒の表面に「特別送達」と黒字もしくは赤字で書かれています。裁判所の名前、連絡先が記載されています。
ネットや電話帳で裁判所の名前と連絡先を調べておき、その郵便物の連絡先と比べてみることができます。もし一致しなければその郵便物は偽物と判断できます。
②宛名人に郵便職員が手渡しするのが原則
裁判所からの督促状、少額訴訟の呼び出し状などは原則、宛名人に郵便職員が手渡しし、その際に受取確認の署名をします。
普通郵便のようにポストに投函されるということはありません。
③事件名・事件番号が記載されている
支払い督促や少額訴訟に関しては事件名や事件番号が必ず記載されています。
④振り込み口座は記載されていない
本物の裁判所からの支払い督促状には振り込み口座は書かれていません。
架空請求業者はもっともらしい理由を付けて、裁判所がお金を振り込むように命令していると思わせようとしてきます。
しかし、裁判所がお金を特定の金融機関に振り込むよう要求してくることはありません。
こうした特徴を知っておくなら、本物の裁判所からの郵便物か、それとも無視していい架空請求かを判断できるでしょう。

4.架空請求で起訴されたときの具体的な対応は?

発送元・連絡先等を確認し、本物の少額訴訟の呼び出し状を裁判所から受け取った場合の対処方を紹介します。

①弁護士、消費生活センターに相談する
架空請求によるものでも、架空請求業者が正式な手続きを踏み、少額訴訟で起訴した場合、具体的な対応策について相談しアドバイスしてもらう必要があります。
②答弁書を提出する
指定された裁判の期日よりも前に、原告(訴えた側:この場合は架空請求業者)の主張と争う内容の自分の言い分を記した「答弁書」を裁判所の提出します。
③指定された期日に裁判所に出頭する
(参考:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji68.htm)

仮に架空請求によるものであったとしても、裁判所からの少額訴訟の呼び出し状が来た場合、自分の資産を守るためにこうした方法で対処できます。

架空請求で起訴まとめ

架空請求業者が特定の個人を起訴するという場合、単なる脅しの場合がほとんどです。
しかし、架空請求であっても、正式な手続きを踏み、支払い督促や少額訴訟という手段に訴える場合もあります。
裁判所からの正式な支払い督促状や少額訴訟の呼び出し状が郵送されてきた場合、無視するなら、被告側は異議なしとみなされ、架空請求業者にお金を支払う必要が生じます。
架空請求による起訴が本物か偽物かを見分けるために、裁判所がどのような形で正式に文書を郵送してくるのか知っておくことも大切でした。
「無視しておくだけで大丈夫」という一般的な常識の裏をかいた架空請求業者のこうした手口により被害を被らないためにも、正しい知識を持っておくことが必要です。

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